いよいよ、本日でコンテンツフォーラム@穂高も閉幕と成ります。
会場では、これまでに沢山のキーワードを得られた方々が、より多くのキーワードを求められて身体一杯に感覚を研ぎ澄まされている様でした。

また、今回のフォーラムで同時進行していました“WASABI-2002”での入賞者も決まり、受賞される方々も来場されて、更成る秀作を産み出すべく会場内の先端技術に見入っている様子でした。
入賞作のひとつ “泳ぐ言葉”

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本日のひとりめの講師の方は、フラワーロボティックス松井龍哉 氏

あの日本の歌姫“宇多田ヒカル”のプロモーション・ビデオに登場した、ロボット“PINO”の創作者である松井 氏は、“ロボット”が持つ精緻な動きによる新たな表現性について語られました。
先日の講演の席に出られました出井 氏のソニーでも、“AIBO”と呼ばれる犬型のロボットが作られ、多くの方々に親しまれていますが、

松井 氏の創られた、第2作目のロボット“POSY”は、その外観デザインを含め、動きや存在そのものが、見る者、触れる者全てに“優しい感覚”を訴え掛けて来てくれます。
工業ロボットに見受けられる様な、冷たい無機質さは無く、人と共に生きるハートフルなロボットの在り方を目指しているそうです。
2030年には、プリマドンナと“POSY”とのバレエの公演も計画中とのこと。
是非、実現してくださることを期待したいことを願います。


最終日の最後の講師は、南カリフォルニア大学 映画TV学部及びアンネンバーグセンターチーフテクノロジスト兼リサーチ担当教授で有り、

同大学のコンピュータ・アニメーション研究所の創設者、日本国内での東京工科大学の客員教授でも有られるリチャード・ワインバーグ博士です。
コーネル大学にて心理学を学ばれた博士は、デジタル技術の発展に際し、人々の感受性の大切さを語られていました。
技術が進歩することで失いがちな人間が持つ豊かな完成を、

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逆にデジタルの力を借りることで、より効果的に増幅、加工、表現して行くことを、ご自身の体験をもとに語られていました。
今回のコンテンツフォーラム@穂高では、あの日本が産み出した映画界の巨匠“黒澤監督”が撮影された“夢”の舞台と成った、この穂高の地で公演出来る事を大変に喜ばれており、そんな博士のお姿を拝しながらお話を聴き、真に人の持つ感受性の暖かさや優しさの重要性を再認識することが出来ました。


最終日のパネル・ディスカッションでは、NHKの中谷 氏のリードで、“テレビ放送におけるデジタルコンテンツ製作の現状と可能性”についての討議が行われました。
“手話放送”のデジタル配信から番組製作、映画製作へと浸透して来る最先端デジタル技術。
そえらの製作現場スタッフから提起される“デジタル”だから出来る表現、“デジタルにしなくても良いのでは”という表現。

また、“デジタルからアナログ(実在物)”へと変化させるコンテンツ等、現段階での“デジタル技術”の在り方、応用の仕方を現場サイドから語って頂く事が出来ました。
また、NHKが取り組む“デジスタ”での、日本国内や海外での新たなる人材育成と発掘の現状も紹介して頂き、ますますにこれからの“デジタル・コンテンツ製作”に向けて、
夢や希望が膨らむ想いでした。 本当に、今回のコンテンツフォーラム@穂高を企画してくださった、“コンテンツフォーラム@穂高実行委員会事務局”のスタッフの皆様や、開催地、場所をご提供くださった“穂高町”の関係者の皆様にこころから感謝を述べさせて頂きたいと思います。
本当に、貴重な体験の場を与えてくださり、ありがとうございました。
私自身、同じ“デジタル・コンテンツ制作者”としまして、この度のフォーラムで得た知識を良く理解し、改めて良質のコンテンツ創りに努力してまいりたいと思います。

以上をもちまして、
2002年度、コンテンツフォーラム@穂高のメモリアルレポートとさせて頂きます。


文・デザイン…D-Bit:松田。